不自由な古民家での生活から一変、快適な注文住宅に憧れて、、、。
家族の幸せをもっと大きくしたい。みんなが喜ぶ顔が見たいと夢を見ました。
「家族が快適で幸せな空間」をテーマに家づくりをしようと決めました。
YouTubeや雑誌でいろいろ調べました。
思い描いた2階LDKの間取り、全館空調という理想は理解されることはありませんでした。
妻が欲しいのは、帰ってすぐリビングやお風呂場に行ける動線の家。
しかし、理想と現実、妻の理想とのギャップに苦しみ、それでも良さをアピールしました。
私が欲しいのは、家族がくつろげる空間であるために2階LDKで採光もあり、人目も気にならない家。
お互いの想いをゆずることができず、挙句の果てに「好きにすればいいっ」の一言。
その時、私の心は折れました。
なぜなら、妻の望まない家を建てる事は、私の中で一番の失敗になるからです。
自分の想いを譲れなかったのには、訳があります。
それは、ありきたりな間取りの家を注文する価値などなく、ワクワク感も感じない家づくりを私はできない。
果たせなかった想いをここに残します。
挫折した注文住宅の夢
始まりは2020年秋、住宅展示場の広告1枚からスタートしました。
有名店の洋菓子、ジャガイモ・ニンジンの袋詰め放題・子供向けの射的とヨーヨー釣り。
見学だけで全部タダなの!?
その衝撃におどろき、甘い誘惑にまんまと釣られ、モデルルームへ足を運びました。
モデルルームは30坪程度で、田舎暮らしをしている私達には広いとは言えない空間でした。
けれど、キッチンからTVと子供の遊ぶスペースが視線に入るという、理想的な間取りに妻は感動していました。
リビング、玄関の両方からお風呂場へ行ける、今住んでいる生活とは真逆なことが刺激的でした。
その家には床下空調が入っており、温風が直接当たることなく、空気もきれいに保ってくれるという設備も搭載していました。
冬はファンヒーターにエアコンというダブル使いをしなければ、暖まらない我が家とは大違いでした。
さらに、2階があることに子供たちは喜んでいました。
「あがってもいい!?」子供が大きな声で聞き、営業さんが「いいよ~」と返事し、子供は走って登って行きました。
我が家には2階が無かったんです。
上から見下ろして、笑顔いっぱいで楽しんでいました。
キッチンの収納力、シンクと作業スペースの広さに妻も「いいわっ!」と絶賛。
半年以上経った今でも、家族が喜ぶ姿を思い出すことができます。
モデルルーム巡り
ちょうどコロナウイルスの影響で、モデルルームは密を避けられる良い場所でした。
セキスイハイム、タマホーム、パナソニックホームズ、イシンホーム、ホリ建築、愛ホーム、藤岡工務店の大手から地元の工務店までいろんな所へ足を運びました。
どのメーカーも工法や素材などさまざまでした。
その中でも家族が理想だと選んだのはセキスイハイムの快適エアリーでした。
セキスイハイムの快適エアリーとは
セキスイハイムの快適エアリーは床下に暖房と換気ができる空調を入れる構造です。
床下に温風が流れるので、1階のフロアはどこもほんのり暖かい状態なのです。
暖房の風が直接当たらずに部屋を暖める事ができ、換気が空気清浄機も兼ねているというシステムです。
我が家は、ファンヒーターやエアコンの風が直接当たって目が乾くと悩んでいたので、素晴らしいシステムに感動しました。
快適エアリーには難点もあった
しかしそれは良いばかりではなく、デメリットもあることを後から知りました。
- セキスイハイム独自のシステムなので、メンテナンス費が大きいこと
- 1フロアのみの暖房で2階部分はエアコンか同じ機械をもう一つ増やさないといけない
- 1台約80万円と高額
- 部屋が乾燥する
- 電気代が高い
- フィルターが多く、掃除が大変
デメリットいくつかあります。営業の方は最初に説明してくれませんでした。
ですが、1フロアが一定の温度で快適であることに間違いはないと感じました。田舎暮らしでは考えられません!!
Youtubeで住宅情報の知識を増やす
大手のメーカーを巡り、安全性、安心性はどこも高く、良かったのですが、
坪単価で考えると、高価な住宅になることが予想されました。
そこで賢く家を建てるために、Youtubeで情報収集をしました。
そこで多くの事を学びました。
床下エアコン
エアコンは本来室内の上部に付けて使うものですが、床下エアコンは床と同じ高さに取り付けて使います。
温風を全て床下に流し、各部屋のスミから温風が出るように床下全体を暖めます。
そうすることで、どの部屋もほとんど温度差のない家になるというもの。
高断熱、高気密の家だからこそ実現できる床下エアコン。
古民家では隣の部屋は寒いが当たり前。
古民家に住む私の、常識をくつがえせる夢のようなシステム。
いろんな暖房システムがある中で、このシステム考えた人マジすごい!!
ただし、どこの家にも取り付け可能という訳ではないんです。
- ベタ基礎(床下一面にコンクリートが敷かれている)
- 基礎の立ち上がりが少ない
- 断熱気密ができていないと効果が発揮されない
- 建築段階から計画に入っている
以上の4つが必須条件になってます。
つまり、注文住宅でしか実現できないシステム!!
必ず我が家に取り入れたいと思いました。
第一種換気「sumika」
第一種ってまずなんなの。
換気扇には第一から第三まである。
第一は排気と給気の両方にファンがついている。
第二は給気側にファンが付いていて、入った空気はどこかの隙間から外へ
第三は排気側にファンが付いていて、出ていった空気の分だけ隙間から中へ
第三種の換気扇が一般的だけど、第一種にするのには意味がある。
- フィルターを通してきれいな空気が室内に入る
- 冷たい・暑い空気がそのまま入らず、適温になって入ってくるので適温が保てる
- 換気扇の音が気にならない
室内の空気はどうしても暖房や人の呼吸で二酸化炭素濃度が上がって、息苦しくなったり眠くなったりするけど、24時間綺麗な空気を保てる家ならその心配がない。
快適な家は空気にもこだわらないといけないと思う。
なぜ、「sumika」という商品にこだわるのか、それはメンテナンスがしやすいから。
家の外側に設置されているフィルターの掃除と換気扇内の熱交換素子の交換だけでメンテナンスができるので、セキスイハイムの快適エアリーよりも手軽。
フィルター掃除できない換気扇や、「掃除不要です」という機械は数年で使い物にならなくなる。
家は何十年と住むので、交換しやすい事が条件です。
しかし、安価な第三種換気と比べるとやはり高価なので、費用と相談しないといけません。
「sumika」は約50万円ほどかかるようでした。
2階LDKとロフト
私が最もオススメしたい構造。
2階にリビングダイニングキッチンを持ってくること。
夫が最も重視したい部分と、妻が最も嫌がる部分が一致しました。
ご覧ください。
主婦目線で、もっともな意見だと思います。確かにそうだ。
でもね、悪い部分ばかりじゃないんだと説明したい。良いとこがあるから採用したいんだと。
2階LDKのメリットとは
私はこれだけのメリットがあると思う。子供も妻も気に入ってくれるんじゃないかと信じてる。
自分の心がワクワクしてる。造ってみたいと。
しかし、妻の意見はどれも正論で無視はできません。
「家族が快適に過ごせる家」をテーマにしているので、リビングには力を入れたいと思っています。
なので、これだけは譲れない。妥協できない。ただ生きるだけの家にしたくない。
この案は計画初期から反対されていましたが、妻も十分に知らないからだという想いから諦めませんでした。
太陽光発電
最初は反対派でした。
- お得かどうか、未来はわからない
- 雨漏り、台風被害のリスクがある
- メンテナンスで余計な出費が発生する可能性も
- 使用量の多い冬場は発電量が低く、自家発電でまかなえない
- 田舎は土地があるので、点検しにくい屋根に乗せる必要性がない
ですが、試算してみるとおよそ10年で初期費用は回収できるとか。
検討しないといけないのが、実際の日当たり。土地によって発電量が大きく変わるので土地の日照時間も考えないといけません。
都道府県別に見ると、京都府は35位のソーラーパネル1kWhあたり1171kWh/年の発電が見込めるそう。
将来的に売電価格は下がる予想がされていますが、電気料金は上昇する可能性が高いため、太陽光発電で電気代を減らすことは、将来的にも良い方法だと結論付けました。
工務店、ハウスメーカー探し
大手のハウスメーカーで建てるとyoutubeで仕入れた案は実現できないと感じました。
そこで中堅のハウスメーカー、工務店で探すことにしました。
調べる方法は2通り、
①紹介や口コミ
②ネット検索
①は知り合いが建てた愛ホームを紹介してもらいました。
②は検索で「床下エアコン ○○市」、「グリーン化事業 ○○市」と検索して、ホリ建築と藤岡工務店を見つけました。
愛ホームは私が住んでいるエリアで人気No.1のハウスメーカーでした。
ホリ建築は床下エアコンの施工と実績があるハウスメーカーでした。
藤岡工務店は地元の1級建築士の工務店でグリーン化事業に加盟されており、構造計算もでき、自由設計が可能との事でした。
実現したいこと、生活スタイルを伝える。
あらかじめ、今の生活が快適になるような配置や広さなどを考え紙にまとめました。
子供の動き、妻と私の1日の行動内容を書き出し、スムーズな動線になることを考えました。
例えば、帰った時、起きた時にトイレに行きやすい間取り。
洗濯した物はその場で干せて、天気が良ければ外に持って行きやすいように洗濯機は1階南側など。
(我が家の詳しい要望は別の記事にまとめたいと思います。)
それぞれの空間の理想を書き出す
キッチンは、以下のように妻の意見も取り入れて考えました。
- IHコンロ
- レンジフードは吸排気同時システム
- パントリーあり(現在の在庫から必要な収納量を決める)
- I型キッチン
- シンク横にテーブル、正面にソファーやTV
- アメリカンテイスト
このようにして、玄関、階段、寝室、子供部屋、リビング、脱衣所、洗面所、ランドリー、書斎、外構
と細かく希望を書き出し、全て紙に書いて伝えました。
私達の家づくりにヒビが入った。
妻が我が家の要望書に待ったをかけた。
妻が言いました。「いっぱい希望を出したら、お金がいっぱいかかるし無理でしょ!」
たしかにそうだ。全てを実現するほど私はお金を持っていない。
でも、「要望を伝える前から諦めて、妥協する必要はないんだよ」と私は言いました。
設計段階では費用を検討しながら、希望に優先順位を付けていかないといけない。
でも、見積もりの依頼を出す時点で諦める事じゃないと思うんだと話しました。
あまり理解してもらえていない様子でしたが、その時は了承してくれました。
ハウスメーカーへ要望書の提出と見積もりの依頼
私はセキスイハイムを含めた4社へ要望書を渡し、見積もりを依頼しました。
間取りはまだまだ修正していくが、だいたいの費用と家の大きさを知るために行いました。
間取りは1階LDKの間取りと2階LDKの間取りの両方を用意していただきました。
早いところは10日ほどで見積もりを受け取る事ができ、他のメーカーも順番に集まってきました。
そして、最後の1件の受け取りに家族で行きました。
私達の家づくりは音もたてず、崩れていった。
工務店「2階にLDKを持ってくるとこんな感じになります。」
妻「まだ言ってんの!?」
強めの口調で横からツッコミが入ります。
私「開放的な空間で、生活しやすい・・・」
妻「そればっかりやん!いいかげんあきらめろや」
私「これは一般的ではないけど、良いところがあるし採用したいの!」
妻「お風呂は1階やんな!?」
私「まだ検討段階やけど、他の間取りも考えると2階が理想・・」
妻「汚れて帰ってきたときどうすんの!?庭でプール遊びした時とか!」
私「玄関で軽く拭いてから、お風呂場に行くのはどう?回数も多くないやろうし」
妻「あれもしたい、これもしたいって、いくらかかるのよ!?」
私「見積もりもらう段階で妥協はしたくないから!」
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このやり取りを聞きながら、時々工務店さんが間を取って…とLDK部分は1.5階にするという謎提案も聞く事30分。
これ以上は迷惑になると思い、感謝を伝え、工務店を後にしました。
帰りの車の中で、2階LDKの良さをもう一度説明しましたが、理解を得ることができませんでした。
冷静になってからの決断
お互いに譲れないまま家づくりをしても意味がない。
私はそう思いました。我が家のテーマは「家族が快適で幸せな空間」です。妻が不満を抱いたままでは失敗です。
私の中で大切なのは、間取りではなく家族です。
家づくりの計画から、私は身を引いた方がいいと思いました。
一緒に考えると、どうしても「こうしたい」と要望を出してしまいます。
だったらいっそのこと、妻に一任してみようと思いました。
わかっています。大変だということは
しかし、意見の食い違いを冷静に話し合えない関係では、家を作ることはできない上に、夫婦関係まで壊してしまいかねないと心配したからです。
単独で考え動いた方がやりやすいのは事実。
情報量が少なく後悔することもあるかもしれないけど、自分で決めた事なら納得もいくでしょう。
家づくりの計画の結末…
後日、妻に「家づくりを一任します」と伝えました。
妻は返事をしてくれなかったけれど、ゆっくり考えてほしい。
急いで決める必要はないのだから、いろんな人の意見を聞いて決めてもらえたらいいと思う。
投げやりだけど、それがベストな選択なんじゃないかと今は思う。
私が作りたかった家はもうない。
楽しみだった分だけ、挫折も大きいけど、大事な想いがブレないように。
我が家のテーマは「家族が快適で幸せな空間」です。
新しい家にならなくても、今住んでいる古民家を快適にしたらそれでいいよね。
2020-2021マイホームプロジェクトは、この記事の中にしまっておきます。
何事も前向きにね☆
今あなたに伝えたいこと
あなたの想いを尊重します。唯一のパートナーとして生涯一緒だから。
全ての意向を聞くという事じゃない、自分が正しいと思う事は反論もします。
あなたの事を否定しているんじゃないって理解してほしい。
話し合いの内容に対して思う事を、遠慮なく言いたい。後悔したくないし、してほしくないから。
私もコミュニケーションが下手だから、強い言い方になってしまう時もある。相手の気持ちを察するのは一番苦手だ。
落ち着いて話し合ってみよう。私のことも尊重してください。
それができたらボクらは夢を実現できる。
この記事を読んだあなたはマイホームを完成させてほしい。そのために大切なことは、
パートナーとの話し合いが一番だと知っておいて欲しいです。
一生に一度の買い物だから、慎重にいきましょう。
それが私の望みです。
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