ケアマネージャーの試験勉強を始めた人にとって、最初の壁はサービスの種類が豊富なこと、事業所の種類が多く、現実味がないことではないでしょうか?
私も最初は漢字の多さに驚きました。
「地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護」というサービスがありますが、漢字20文字も続く単語なんて、30年余り生きてきて初めてでした。
介護保険にはこのような単語や事業所がゴロゴロ出てきます。
勉強を始めた人は「ムリだ、覚えられない」と避けずに、流し読みしながら繰り返し単語を目にする機会を増やしていきましょう!
介護サービスにはどんな種類があるの?
介護サービスには施設系と居宅系に分けて説明することができます。
施設でお世話になるタイプと自宅で生活しながらお世話になるタイプとで分類できます。
また、要介護度によって利用できるサービスも変わってきます。
サービスの種類は多岐にわたり、複雑になっています。
理解しやすいために、要支援者が利用できるサービスと要介護者が利用できるサービスに分けて勉強していきたいと思います。
今回は要支援者が利用できるサービスについて学んでいきます。
要支援者が利用できるサービス一覧
要支援者は日常生活に支障はないが、浴槽の出入りや一部の動作に介護が必要な状態とされています。
そのような状態の方が利用できるサービスを予防給付と言います。
在宅系・施設系・地域密着型の3つに分けて見ていきましょう
在宅系
介護予防支援(ケアマネジメント)
サービスを適切に利用できるよう、利用者の心身の状況や置かれている環境、本人およびその家族の希望などを考慮して、ケアプラン(介護予防サービス計画)を作成するほか、サービス事業者との連絡調整をしてくれる。
ケアプランの作成費用は全額を保険で負担することになっている。自己負担はゼロ
介護予防訪問入浴介護
自宅に浴室が無い場合や感染症などの理由から、入浴設備や簡易浴槽を積んだ移動入浴車などで自宅を訪問し、介護予防を目的として、入浴の介護をしてくれる。
介護予防訪問看護
看護師が自宅を訪問して、介護予防を目的として、療養上の世話や必要な診療の補助をしてくれる。
介護予防訪問リハビリテーション
理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が自宅を訪問し、介護予防を目的として、リハビリテーションをしてくれる。
介護予防居宅療養管理指導
医師、歯科医師、薬剤師などが自宅を訪問し、介護予防を目的として、療養上の管理や指導を行う。
施設利用系
介護予防通所リハビリテーション(デイケア)
介護老人保健施設や医療機関などで、介護予防を目的として、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士によるリハビリテーションを受け、日帰りします。
・理学療法士などの指導により、ストレッチや有酸素運動、筋力トレーニング、バランストレーニングなどを行う。
・管理栄養士などが、低栄養を予防するための食べ方や、食事作り、食材購入方法の指導、情報提供などを行う。
・歯科衛生士や言語聴覚士などが、歯磨きや義歯の手入れ方法の指導、摂食・嚥下機能を向上させる訓練を行う。
介護予防短期入所生活介護(ショートステイ)
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)などに短期間入所し、介護予防を目的として、入浴、排せつ、食事やその他日常生活上の支援や機能訓練などを行う。
介護予防短期入所療養介護(ショートステイ)
介護老人保健施設などに短期間入所し、介護予防を目的として、看護、医学的管理の下に介護や機能訓練その他の医療や日常生活上の支援を行う。
介護予防特定施設入居者生活介護
指定を受けた有料老人ホームなどに入居している人に対して、介護予防を目的として入浴、排せつ、食事などの介護、その他日常生活上の支援や、機能訓練、療養上の世話を行う。
ケアプランに基づいて行われる。
特定施設とは、有料老人ホームなどのうち、一定の居住水準を満たすものが対象となっている。
地域密着型
介護予防認知症対応型通所介護
認知症高齢者を対象に、介護予防を目的として、入浴、排せつ、食事などの介護、その他の日常生活上の支援や機能訓練を日帰りで行う。
介護予防小規模多機能型居宅介護
身近な地域の事業所において、通所を中心に短期間の宿泊や自宅への訪問を組み合わせて、介護予防を目的として、入浴、排せつ、食事などの介護、その他の日常生活上の支援や機能訓練などを行う。
介護予防認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
認知症高齢者が少人数で共同生活を営む住居において、介護予防を目的として、入浴、排せつ、食事などの介護、その他の日常生活上の支援や機能訓練などを行う。
要支援1の方は利用できない
福祉用具のレンタル・購入
介護予防福祉用具貸与
日常生活の自立を助けるための福祉用具を貸与できる。
利用可能な品目は以下の4つのみ
・手すり
・スロープ
・歩行器
・歩行補助つえ
特定介護予防福祉用具販売
直接肌に触れて使用するため、貸与できない物、入浴や排せつに関する福祉用具の購入ができる。
都道府県に指定された事業者から1年につき10万円を限度に購入できる。
購入可能な品目は以下の2つ
・腰掛便座(ポータブルトイレを除く)
・入浴補助用具
介護予防住宅改修費
介護予防を目的として、日常生活の自立を助けたり、負担を軽減するための住宅改修に対して20万円を限度に工事費用を受けられる。
・事前の申請が必要
・1つの住宅に対して20万まで。転居した場合はまた利用する事が可能
対象となる工事は以下のとおり
①手すりの取り付け
②段差の解消
③滑り防止および移動の円滑化のための床面材料の変更
④引き戸等への扉の取り換え
⑤洋式便器等への、便器取り換え