どうも、砕刃です。
ケアプラン(施設サービス計画)はケアマネにとって最も重要な業務と言えます。
ケアマネは公正中立な立場でケアプランを作成しないといけません。
もし、不公平なプラン作成や虚偽の書類を作成をした場合には厳しい処分を受けてしまいます!
しっかりと理解し、ケアマネ取得後のスムーズなケアプラン作成のためにも、このテーマは重要です。
今回はケアプランの作成について、要点をまとめていきたいと思います。
早速学習していきましょう。
居宅サービス計画作成の重要ポイント
作成する上で注意しなければいけないのは、利用者にとってベストなプランを作成するということ。
家族やケアマネに都合の良いプランはベストとは言えない。
高齢者の身体や生活環境の状況は様々で、同じケースなんてない。
ベストなプランを作成するために必要な事は明確になっています。重要ポイントを理解しましょう。
・利用者情報
・課題の分析
・多職種と共同し専門職からの意見
・本人への十分な説明と文書による同意。
・モニタリングと再評価
・介護保険制度
などの重要ポイントを押さえて学習しましょう。
居宅介護支援とは
要介護者のケアプランを作成することを居宅介護支援と言います。
要支援者のケアプランを作成する場合は介護予防支援と言います。
ケアプラン作成の流れ
ケアマネは図のとおり、①~④を定期的に繰り返します。
ケアプラン作成の重要ポイント
総合的な居宅サービス計画の作成 | 介護保険給付対象外の保健医療サービス、福祉サービス、地域住民のボランティアなども含めて居宅サービス計画に位置付けるよう努める |
課題分析(アセスメント)の留意点 | 課題分析(アセスメント)は、必ず利用者の居宅を訪問し、利用者や家族に面接して行わなければならない。 |
サービス担当者会議の開催 | サービス担当者会議は、原則として居宅サービス計画の新規作成時や変更時、利用者が更新認定や変更認定を受けたと時に、やむ得ない場合を除き必ず訪問する |
医療サービスを利用する場合 | 医療サービスは主治医の指示がある場合にかぎり計画に盛り込み、利用者が利用を希望している場合は、主治医の意見を求めなければならない |
福祉用具貸与・特定福祉用具販売を利用する場合 | 居宅サービス計画に福祉用具貸与が必要な理由を記載し、必要に応じて随時サービス担当者会議を開き、その必要性について検証する。また、特定福祉用具販売を計画に位置付ける場合も、必要な理由を記載する。 |
居宅サービス計画の同意と交付 | 居宅サービス計画原案の内容は、利用者または家族に十分説明し、文書により利用者の同意を得る。作成した居宅サービス計画は、利用者と担当者に交付する。 |
短期入所サービスを利用する場合 | 利用する日数が、要介護認定の有効期間の半数を超えない。 |
モニタリングの実施 | 少なくとも1ヶ月に1回は、利用者宅を訪問面接し、1ヶ月に1回はモニタリングの結果を記録しなければならない。 |
課題分析標準項目とは?
ケアプラン作成の最初に課題分析(アセスメント)があります。
この課題分析は決められた項目をチェックし、適正に評価するためのものです。
以下にまとめたので、項目名だけでも覚えておきましょう。
基本情報に関する項目
基本情報(受付、利用者等基本情報) | 利用者の基本情報、家族などの基本情報 |
生活状況 | 利用者の現在の生活状況、生活歴など |
利用者の被保険者情報 | 利用者が保険者情報(介護保険、医療保険、生活保護、身体障害者手帳の有無)について |
現在利用しているサービスの状況 | 利用者が現在受けているサービス |
障害高齢者の日常生活自立度 | 日常生活自立度 |
認知症である高齢者の日常生活自立度 | 認知症高齢者の日常生活自立度 |
主訴 | 利用者や家族の要望 |
認定情報 | 介護認定情報(要介護度、認定審査会の意見、支給限度額など) |
課題分析(アセスメント)理由 | アセスメントの理由 |
課題分析に関する項目
健康状態 | 利用者の健康状態(既往歴、症状、痛みなど) |
ADL | 寝返り、起き上がり、移乗、歩行、着衣、入浴、排せつ |
IADL | 調理、掃除、買い物、金銭管理、服薬管理など |
認知 | 日常の意思決定を行うための認知能力の程度 |
コミュニケーション能力 | 意思の電卓、視力、聴力などのコミュニケーション |
社会とのかかわり | 社会活動の参加意欲、社会とのかかわりの変化、 |
排尿・排便 | 失禁状況、排尿排せつ後の後始末、頻度など |
褥瘡、皮膚の問題 | 褥瘡の程度、皮膚の清潔状況など |
口腔衛生 | 歯、口腔内の状態 |
食事摂取 | 栄養、食事回数、水分量など |
問題行動 | 暴言暴力、徘徊、介護の抵抗、収集癖、火の不始末、不潔行為、異食行動など |
介護力 | 介護者の有無、介護者の意思、負担、情報など |
居住環境 | 住宅改修の必要性、危険個所など、 |
特別な状況 | 虐待、ターミナルなど |
赤字の部分をしっかり理解しましょう。項目に含まれるかどうかも知っておく必要があります。
過去問にも出題されています。
さいごに
ケアプランの作成には以上のポイントをしっかり押さえておく必要があります。
多いように感じますが、確実に点の取れる問題なので覚えておきましょう。
過去問を3つ載せましたので、チャレンジしてみてください。
反復して学習することをおすすめします!
第22回試験問題(令和元年度)
指定介護老人福祉施設における施設サービス計画の作成について正しいものはどれか。3つ選べ
- アセスメントは、入所者及びその家族に面接して行う必要がある。
- 原案の内容については、入所者の同意は必要ない。
- 他の担当者と連携体制がとれている場合には、モニタリングのための利用者との定期的な面接は必要ない。
- 地域住民による自発的な活動による、サービスの利用を含めるよう努めなければならない。
- 作成した計画は、入所者に王府しなければならない。
- 〇 アセスメントでは、入所者や家族と面接して解決すべき課題を把握しなければならない。
- × 計画担当介護支援専門員は、施設サービス計画原案の内容について入所者または家族に説明し、入所者から文書による同意を得る必要がある。そして、完成した施設サービス計画は入所者に交付しなければならない。
- × 計画担当介護支援専門員は、モニタリングにあたり定期的に入所者に面接を行い、定期的にモニタリング結果を記録しなければならない。
- 〇 施設サービス計画は入所者の日常生活全般を支援する観点に立って作成されることが重要であり、介護給付等対象サービス以外にも、地域住民による自発的な活動(入所者の話し相手、会食)によるサービスの利用なども含めて計画に位置付け、総合的な計画となるよう努めなければならない。
- 〇 選択肢2の記述のとおり、施設サービス計画は入所者に交付する。
第22回試験問題(令和元年度)
介護サービス計画作成のための課題分析標準項目として正しいものはどれか。3つ選べ。
- 資産の状況
- コミュニケーション能力
- 改善/維持の可能性
- 課題分析(アセスメント)理由
- 口腔衛生
- × アセスメント(課題分析)は、利用者が自立した日常生活を営むために日露な解決すべき課題(生活ニーズ)を把握するためのものであり、その課題を客観的に抽出するためのツールが課題分析標準項目。資産の状況は項目に含まれない。
- 〇 意思の伝達、視力、聴力などの「コミュニケーション能力」は、課題分析標準項目に含まれる。
- × 課題分析標準項目には含まれない。
- 〇 基本情報に関する項目に含まれている。
- 〇 課題分析に関する項目に含まれている。
第19回試験問題(平成28年度)
指定介護老人福祉施設の施設サービス計画について正しいものはどれか。3つ選べ。
- 地域住民の自発的な活動を位置付けるよう努める。
- 作成に係るサービス担当者会議の開催等を要する。
- 入所者の家族にも必ず交付しなければならない。
- 施設の行事や日課を記載する。
- 月に1回はモニタリングを行わなければならない。
- 〇 計画担当介護支援専門員は、施設サービス計画の原案を作成する際は、介護給付等対象サービス以外の地域住民による自発的な活動によるサービスなども含めて施設サービス計画に位置付け、総合的な計画となるように努める。
- 〇 計画担当介護支援専門員は、施設サービス計画の原案について、サービス担当者会議の開催、または担当者への照会などにより、専門的な見地から意見を求める事とされている。
- × 完成した施設サービス計画は、入所者に必ず交付しなければならないが、家族については定められていない。
- 〇 施設サービス計画には、行事や日課なども含めた施設でのサービス内容が記載される。
- × 定期的なモニタリングは義務付けられているが、頻度や回数に関する規定はない。